青地とは、「農業振興地域内農用地区域内農地」のことを言い、略して「農振農用地」または「青地」と呼ばれています。特徴としては、今後10年以上にわたり農業利用を確保するため、農地以外の利用を厳しく制限しています。また、農振除外の対象地です。
白地とは、「農業振興地域内農用地区域外農地」のことを言い、青地に対して「白地」と呼ばれています。特徴としては、農地の集団性が低く、土地改良事業を実施していない等の理由から青地の指定がされておらず、青地と比較すると農地以外への規制は比較的緩くなっています。また、農振除外は必要ありませんが、農地転用は必要です。
農地転用★☆☆
農地の売買、農地の転用をする場合には農地法に基づく各種手続きが必要になります。
農地に関する法令
★農地に関することリンク●群馬県行政書士会
- リンク●農地法
- リンク●農地等の権利移動の制限(農地法第3条)
- リンク●農地等の転用の制限(農地法第4条・第5条)
- リンク●農水省農地転用許可制度
- リンク●安中市農業委員会
- リンク●安中市農用地区域に含まれる農地の除外手続き(農振除外)について
農地に関する変更の解説
農地転用についての一般的な説明農地を駐車場にしたい,宅地にして売りたい!このような場合は自分の農地であっても無断で他人に売ったり、家を建てたりすると法律により処罰されることになります。(300万円以下又は3年以下の懲役)工事中のものについては工事停止命令。工事完成のものには原状回復命令を受けることがあります。
農業土木技師で用地買収経験37年・宅建主任者・1級土木施工管理技士(監理技術者)・測量士・地籍調査専門技術者として農地法に基づき申請手続します。
●農地法第3条による農地取得
下記の条件を全て満たす必要があります。
1.所有権の移転を受け、又は賃借権、使用貸借権の設定を受けようとする者又はその世帯員が、農業に供すべき農地のすべてについて耕作していること。
2.所有権の移転を受け、又は賃借権、使用貸借権の設定を受けようとする者又はその世帯員に、農作業に常時従事している者がいること目安としては年間150日。
3.権利取得後の経営面積(下限面積)が必要以上あること。(法律上は約5反5000平方メートルですが、地域の状況により下限面積は変更することができるので各市町村で違いがあります。)
4.権利を取得する者の農業経営の状況、住所地から取得しようとする農地までの距離等から当該農地を効率的に利用すると認められること社会通念上耕作ができない距離にあれば不許可になります。
●農地取得の許可
農地転用許可基準
第一目的
この基準は、優良農地を確保して農業生産力を維持し、農業経営の安定をはかるとともに農業及び農業以外の目的のための土地利用関係を調整して、その合理化をはかるため農地転用を適正に規制しねもって健全な国民経済の進展に寄与することを目的とする。
自分の住んでいる市町村内の農地を取得する場合は農業委員会の許可
自分の住んでいる市町村外の農地を取得する場合は知事の許可
許可申請者3条許可申請者は、原則として譲渡人と譲受人の連署によります
●添付書類
法定添付書類•土地の登記簿謄本
1.小作地を取得する場合は6ヶ月以内に小作者が同意したことを証する書面。または、小作者の使用及び収益権が差し押さえなどの後に設定されたことを証する書面。
2.法人が権利を取得する場合は、その法人の定款または寄付行為の写し
3.単独申請できる場合には、単独申請の要件を満たすことを証する書面
4.その他参考となるべき書類
・法定ではない添付書類•委任状
1.位置図
2.案内図
3.公図
4.住民票
5.作付計画書
6.三年三作誓約書
7.農家証明書または耕作証明書
8.売買または貸借契約書の写し
※農地とは登記簿上の地目(田・畑)ではなく、現況主義で判定します。その土地の事実状態で客観的に判断します。
●原則不許可の農地
原則
(1)転用目的が時局に緊要でないもの。
(2)附近の農地または作物に被害を及ぼすおそれがあるとき。
(3)耕作者の生活の安定をいちじるしく害するとき。
(4)国または都道府県の助成をうけまたは改良された土地であるとき。
●具体的
1.農用地区域内農地
2.市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地
3.甲種農地
4.市街化調整区域内の農業農村整備事業による公共投資後8年以内農地
5.集団農地で高性能農業機械での営農可能農地
6.第1種農地
第一種農地を対象とする農地の転用は原則として許可しないものとする。ただし第三種農地又は第二種農地に立地することが困難であるか又は不適当と認められる場合は許可することができるものとする。
7.集団農地20ヘクタール以上
8.農業公共投資対象農地
9.生産力の高い農地
●原則許可の農地
第2種農地
農業公共投資の対象となっていない小集団の生産力の低い農地
第3種農地
●土地区画整理事業施行地区(施行済地区を含む)内にある農地、農業上積極的に確保する必要がみられないものをいう。
都市的整備がされた区域
市街地にある農地
●許可基準(審査)項目
1.最低経営面積
2.小作人の優先買受権
3.不耕作地目的等の取得禁止
4.取得者が常時従事しない場合の制限
5.効率的利用しない場合の取得制限
6.法人の取得制限等々あります
●許可を要しない場合
1.包括遺贈や相続等
2.国県等が取得する場合
3.農業経営基盤強化促進法に基づく利用権の設定
4.裁判、調停等による権利設定、移転など
●利用権設定等促進事業による農地の取得等
農業経営基盤強化促進法(利用権設定等促進事業)による農地の取得等「利用権設定等促進事業」は、市町村が、新規就農者を含む地元の農業者の農地の賃借や売買の意向をとりまとめ、農地の利用集積を図るために必要な契約手続き(農用地利用集積計画の作成と公告)を行い、この計画に従って、農地の売買や賃借を行うという事業です。この事業活用による主なメリット(賃借の場合)は以下のとおりです。
●借り手のメリット
1.農地法の場合のような面積や通作距離の要件がない
2.賃借の更新は、再手続きにより可能
3.農地を買い入れた場合は、不動産取得税の軽減など税金面での優遇措置が受けられます
●借り手の条件
1.耕作又は養畜の事業に供すべき農用地(開発して農用地とすることが適当な土地を開発した場合におけるその開発後の農用地を含む。)のすべてについて耕作又は養畜の事業を行うと認められること。
2.耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められること(農業生産法人等にあっては、常時従事者たる構成員がいるものとする。)
3.利用権の設定等を受ける土地を効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うことができると認められること。
4.その者が農業によって自立しようとする意欲を認められること。
5.所有者の移転を受ける場合は、上記1から4までに掲げる要件のほか、借入者が当該借入地につき所有権を取得する場合、農地の集団化を図るために必要な場合、又は近い将来、農業後継者が確保できることとなることが確実である等、特別な事情がある場合を除き、農地移動適正化あっせん譲り受け等候補者名簿に登録されている者であること。
●貸し手のメリット
1.契約期限が到来すれば必ず返還される。(貸す方が安心して貸せる)*農地法では、貸し手が更新しない旨の通知を1年前から6か月前までにしないと貸付が続 いてしまいます。
2.不在地主(在住市町村以外に農地を所有している人)でも貸せる。
●自己所有地の転用(農地法第4条)
自分の農地を宅地や他の用途に変更すること。4条は「転用」に関するものです。自分の農地を転用する(土地の名義・持ち主はそのままに、農地を宅地等に変更する場合や建物,駐車場にする)場合の許可です。許可申請者は、転用を行う者(農地所有者)です。
●個人住宅への転用
面積の上限
1.面積が4ha(40,000平方メートル)以下の場合は知事の許可
2.面積が4ha(40,000平方メートル)を超える場合は農林水産大臣の許可
※3条許可取得後の転用3条許可取得後の転用は3年3作を経ないと転用出来ません
●転用目的権利移動(農地法第5条)
農地を宅地や他の用途に変更し、本人以外の者にその権利を移転すること。5条は、3条の「権利移動」と4条の「転用」を同時に行うものです。事業者等が農地を買って転売する場合や、農地を宅地にして子の家を建てる場合等があります。許可申請は、売主(または貸主、農地所有者)と買主(または借主、転用事業者)の2者で行います。
1.面積が4ha(40,000平方メートル)以下の場合は知事の許可
2.面積が4ha(40,000平方メートル)を超える場合は農林水産大臣の許可
Q:農地を転用する場合の事前審査
A:許可権限者が農林水産大臣であるような大規模の農地転用の場合は、事業者が候補地の選定についてあらかじめ農水省(農政局)と協議して、用地の選定が適当だと認められた場合、初めて用地の買収交渉に入るようにしたことによる。
●権利移動の許可不要等
遺産相続で農地を取得した場合は許可は不要です。
4・5条の場合で市街化区域内の農地なら農業委員会への届出だけで大丈夫です。
●農地転用の申請
転用許可が与えられるのは申請をした本人であり、別の者がその許可をもって家を建てたりすることはできません。
家を建てる場合「一般住宅」での申請では500平方メートル、「農家住宅」では1000平方メートルが大体の限度となっています。
●農振除外転用
農地が農業振興地域の「農用地区域」に該当していた場合、農地法による転用許可を受ける前に農用地区域からの除外(農振除外)をする必要があります。この申請を農振除外申請と言います。
農業振興地域とは農業に関する公共投資その他農業振興に関する施策を計画的に推進するため、また農業の近代化のために必要な条件を備えた農業地域を保全し、形成するために定められた地域です。
●農振除外申請の要件農振除外申請
以下の4つを全て満たす必要
1.農用地区域以外に代替すべき土地がないこと
2.除外により、土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと
3.除外により、農用地区域内の土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと
4.土地基盤整備事業完了後8年を経過しているものであること
※農振除外申請にかかる期間農振除外申請にかかる期間は市町村によって期間は異なりますが、受付が年に数回しかなく、申請してからOKが出るまで2ヶ月~半年くらいかかります。実際に農地転用する場合は、この農振除外が通ってから転用許可申請をすることになりますから、全体で1年かかるケースもあります。
農地と税金所有者には固定資産税など、貸付・売却者には所得税、住民税(道府県民税、市町村民税)など、購入者には不動産取得税、登録免許税、印紙税などが課されます。
農地の貸借・売買に際して農業委員会の斡旋を受けた場合や、農業経営基盤強化促進法の農用地利用集積計画により農地を譲渡した場合等には、所得税等の課税軽減の措置
●農用地区域とは
市町村が農用地等として利用すべき区域として、農振法に基づき市町村農業振興地域整備計画に位置付けしているものであり、農用地区域内の農地の転用については、厳しく規制されています。
農地転用許可制度の概要
農地転用許可制度は、国土の計画的かつ合理的な土地利用の観点から、農業と農業以外の土地
利用計画との調整を図りながら、優良農地を確保して、農業生産力を維持するとともに農業経営の安定を図るものです。
農地転用許可制度の目的
1.効率的かつ生産性の高い農業の基盤となる「優良農地」を確保します。
2.市街地に近接した地域の農地から順次転用していくようにし、計画的な土地利用を推進し、適正な国土利用を実現します。
3.具体的な土地利用を伴わない資産保有目的・投機目的の農地取得を禁止します。
4.農業との土地利用調整を行った上、都市的利用等他用途への転換要請にも応えつつ、公共施設の整備、地域開発のために必要な用地利用の円滑化を図ります。
●市街化区域と市街化調整区域とは
都市計画法では土地のスプロールの防止と効率的な都市的公共投資等の実現のため、都市計画区域をおおむね10年以内に市街化を促進する区域としての「市街化区域」と、市街化を抑制する区域としての「市街化調整区域」に区分し、段階的かつ計画的な市街化を図っていくこととしています。
市街化区域内農地の転用については、あらかじめ農業委員会に所定の事項の届出を行えば、転用許可は要しないこととなっています。
●違反転用
許可なく転用した場合や、転用許可に係る事業計画どおりに転用
していない場合等は、農地法に違反することとなり、工事の中止
や原状回復等の命令がされる場合があります(農地法第51条)。
●罰則の適用もあります(農地法第64条、第67条)。違反転用する
と個人は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人の場合
はイ億円以下の罰金が科せられます。
農地の相続等の届出制度
農地の相続等の届出制度の創設について
(農林水産省からのお知らせ)
平成21年6月24日公布の農地法等の一部改正法により、農地法の許可を要さずに相続、遺産分割、法人の合併・分割等で農地の権利を取得した方は、農業委員会へ権利取得を届出ることが義務付けられることになりました。届出義務を怠ったり、虚偽の届出をしたりすると10万円以下の過料に処せられます。